香港IPO、2024上半期のまとめと今後の見通し2024年10月4日/川本 敬二/IPO2024上半期のIPO件数(全産業セクター)は世界で551件(前年同期比-12%)、資金調達額の合計は522億米ドル(同-16%)でした。リージョンごとの内訳をみると特にアジア・太平洋のシェアが昨年に引き続き下がっています。しかし後述しますがその中でも香港市場は比較的に堅調でした。 ヘルスケアセクターのIPO概況 世界のヘルスケアのIPO件数は58件(同-6%)とほぼ前年と同じでしたが、資金調達額は89億米ドル(同+69%)と大幅に増加しました。これをみると、バイオテクノロジー部門は引き続き技術の進歩を続けており投資対象として注目されていることがわかります。特に抗がん剤や肥満治療薬といった新しい分野で投資が増えています。 例:ArriVent BioPharma IPO市場:NASDAQ 調達金額:1 億 7,500 万米ドル 中国やその他の国で有望なシードを見つけ、米国市場に持ち込むのが [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/09/image-2.png 530 609 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-10-04 21:47:112024-10-04 21:48:13香港IPO、2024上半期のまとめと今後の見通し
中国での臨床試験のSpeed Up化 / 治験申請(IND)が「30日」承認の方向へ2024年9月12日/川本 敬二/政策行政7月末にNMPA(薬監局)からIND申請から「30日」以内に承認の可否を下す試行を2025年1月から開始すると発表されました。<臨床試験の承認審査の最適化の為の試行的運用の通達 / 优化创新药临床试验审评审批试点工作方案的通知> https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/fgwj/gzwj/gzwjyp/20240731184417109.html 1.7月の薬事承認申請の件数 7月単月の医薬品の承認申請件数は、1219件(上市、臨床試験等を含む)でした。下記の表1を参照。このうち、臨床試験に関する申請(IND)は172件、その中で、一類の新薬(新規有効成分を含む薬剤)は128件。 国内外別のIND申請の内訳は、中国国産によるものが107件、輸入品が21件です。 従来、申請してから「60日」以内に当局からNoの返事がない限り、臨床試験を開始してよいというルールでした(薬品管 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-09-12 11:22:342024-09-13 14:19:46中国での臨床試験のSpeed Up化 / 治験申請(IND)が「30日」承認の方向へ
体重減少が非臨床で確認されている開発品 ~肥満症治療薬「ウゴービ®」日本で発売~2024年4月8日/村田正弘/R&D新薬GLP-1受容体作動薬が先行 社会的に高い関心が寄せられているノボノルディスクファーマの肥満症治療薬「ウゴービ®」が、2024年2月22日国内で発売されました。「ウゴービ®」は、セマグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。また、2023年11月8日には米イーライリリーの2型糖尿病治療薬「マンジャロ®」が肥満治療薬としてFDAにより承認されています。こちらもGLP-1受容体作動薬で商品名は「ゼップバウンド®」です。 肥満症治療薬は、上記2社のほかにも多くの製薬企業や創薬ベンチャーが開発を手掛けており、市場規模は今後10年で1000億ドル(約15兆円)に達するとの見方があります。 後を追うNLRP3阻害剤 一方、自然免疫に関わるパターン認識受容体であるNLRP3は、情報伝達因子ASCやプロテアーゼCaspase-1と共にNLRP3インフラマソームを形成し、炎症性サイトカインIL-1 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/04/53085577292_78c8ccb6db_k.jpg 1517 2048 村田正弘 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 村田正弘2024-04-08 22:55:102024-04-21 10:26:44体重減少が非臨床で確認されている開発品 ~肥満症治療薬「ウゴービ®」日本で発売~
「変換期を迎える中国医薬品産業」セミナー3月5日開催2024年2月14日/川本 敬二/セミナー「創薬研究」、「医品のライセンスIn/Out」、「市場/薬価」、「知財」 の観点から現状と展望を解説! 近年、世界の製薬大手が中国のベンチャー企業と開発・製造・商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したというニュースが相次いでおり、一昔前には想像もつかなかったことが現実となっています。中国での研究開発が急速に進んでいることが伺え、このような傾向は、今後も続くと考えられます。そこで、本セミナーでは、中国で新薬の研究開発に携わるFrank Wu氏、10年以上にわたり日中最新の医薬品におけるビジネスに従事する川本啓二氏、中国の薬事規制・手続きに孫華龍氏をお招きして、中国の新薬研究現状や創薬研究のためのヒト・モノ・カネ・情報、国家主導の研究開発及び医薬品のライセンスの導出・導入の実態について解説頂きます。 概要 日時 2024年3月5日(火) 13:00~17:00 会場 株式会社シード・プラン [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 0 0 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-02-14 20:10:022024-02-18 21:14:37「変換期を迎える中国医薬品産業」セミナー3月5日開催
中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)2024年1月16日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「特許期間の延長」の制度、いよいよ、運用がスタート、知識産権局(中国特許庁)で審査が始まります! 2021年に改正された特許法の中で、新薬の特許について5年を限度(但し、新薬上市後、14年を超えず)とする「特許期間の延長」に関する規定が盛り込まれました。それに前後して、具体的な運用を盛り込んだ実施細則、審査便覧(「審査指南書」)の改正案が公表され、その中で「特許期間の延長」に関して、延長の計算方法も含め、詳細な規定案が示されていました。ところが、それから2年間、公表された案に対して、中国国内で意見聴取はされていたものの、改正案が最終化されず、宙ぶらりんでした。販売承認が下りた新薬に対し、特許権者は「特許期間の延長」の申請をしていましたが、知識産権局(中国の特許庁)でどのような取扱いになっているのか誰にも分からない状況でした。 2023年末に、上記の「実施細則🔗」、「審査指南書🔗」の最 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-01-16 11:31:522024-03-22 11:35:58中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)
【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展2023年6月28日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「新薬の知財保護」の新制度のグランドデザインは、2017年に国務院の公表による「新薬等の研究開発を推進する為の承認申請制度の改革に関する政策文書(42号文書)(关于深化审评审批制度改革鼓励药品医疗器械创新的意见)」の中で、下記の3つの制度を導入する旨、明記されています。 その後、2021年1月、トランプの“活躍”で「米中貿易協議書」の中に中国の知財保護制度の改正に対して言及されており、中国は、新薬等の知財保護として、上記の①、➁、③の3制度の導入をアメリカに対してコミットしました。 そして、2021年6月に改正特許法が施行され、その中には、上記の①、③が条文として盛り込まれました。さて、現在、具体的な実施状況は如何に? 1.Patent Linkage 先発の新薬をカバーする特許(一般に当該新薬を開発した企業が所有する特許:「新薬特許」)の満了前に、対応のジェネリック薬が薬事当局(N [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2023-06-28 20:21:212024-04-08 22:55:50【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展
ADC競争の爆発 / PD-1の再来?!2023年5月20日/川本 敬二/R&D新薬中国ではホットな分野ではどこも過当競争、大学の入学試験しかり、電気自動車ビジネスしかり、そして新薬開発も。 PD-1抗体医薬では、このような競争が。2011年にBeigene(百済神舟)等の中国の先発4社が研究を開始、臨床試験を終えて上市を果たしたのは2018年末のこと。この間、100社以上が研究開発に参入。研究開発の過当競争の後に控えているのは、マーケティングの過当競争。2023年5月の時点で、中国内資企業の研究開発によるPD-1抗体の上市承認は10品目近くを数えます。中国市場では、これら国産品が先発にあたるBMS等の外資のPD-1抗体に加えて、ずらっと並んでいます。 その次に競争の波が来ているのが、ADC(抗体薬物複合体)。現在、中国国内企業の110社が研究開発競争に参列しており、うち、70品目が臨床試験段階に。中国市場には外資を中心に8つのADCが上市済で、うち、RemeGen(栄昌 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 0 0 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2023-05-20 16:47:592023-05-20 16:48:00ADC競争の爆発 / PD-1の再来?!
和記黄埔医薬が経口大腸がん薬を武田薬品にライセンスアウト2023年1月29日/川本 敬二/ディール和記黄埔医薬(ハッチソンメディファーマ、Hutchison、上海)が2018年に中国で上市した大腸がんの経口薬 Fruquintinib(フルキンチニブ)の中国・香港・マカオを除く全世界での開発、商業化独占権を武田薬品にライセンスアウトしました。 Fruquintinibは和記黄埔医薬が2007年に研究開発を開始し、その後2013年にイーライリリーへ中国における商業化権をライセンスアウト、同社をパートナーとして開発を続け、2018年に中国にて上市されました。2022年12月にはFDAへの段階的申請を開始し2023年上半期に申請が完了する予定です。 Fruquintinib(商品名:爱优特 ELUNATE)は低分子医薬品で、VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)1,2,3に高い選択性、阻害性を有します。VEGFR阻害剤は腫瘍の急速な成長に必要な血液供給を制限することにより、腫瘍の血管新生に重要 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2023/01/Elunate-website-scaled.jpg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2023-01-29 12:08:532023-01-29 12:08:54和記黄埔医薬が経口大腸がん薬を武田薬品にライセンスアウト
本気で取り組む / データねつ造で刑事罰2022年12月13日/呉 晨/政策行政|中国知財中国の臨床試験に対するイメージを日本の医薬関係者に聞くと、おそらく今でも多くの方は、「ねつ造、でたらめ」の言葉が出てくるのではないのでしょうか。しかし、最近の日米中の臨床試験に詳しい専門家によると、今の中国の臨床試験のデータのクオリティーはほかの国に全く劣っていない。むしろ、優っている可能性もあるくらいにまで向上しているようです。 その背景としては、2017年の「ICH加盟」及び同年に導入された医薬品・医療機器申請資料のねつ造に「刑事罰」が適用されることになったことが大きなインパクトを与えている思われます。 2017年に発表された最高人民法院・最高人民検察院の共同法律解釈によると、被験動物情報・被験者情報など医薬品の非臨床研究データ・臨床試験データをねつ造により、医薬の安全性・有効性評価結果に影響を与えた場合、「虚偽の証明文書を故意に提供」したことになり、最高5年の刑事罰が科されうることに [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 0 0 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2022-12-13 11:29:562024-09-07 13:13:08本気で取り組む / データねつ造で刑事罰
【復星医薬】2022年上半期の状況・実績2022年9月28日/川本 敬二/企業分析全体状況 ヘルスケヤーのコングロマリット企業とも言えるFosun(复星医薬)は、医薬・医療機器・診断・健康サービス分野と多岐にわたる事業を「イノベーション」と「国際化」を旗印に展開。2022年上半期は、営業収入は約4300億円(前期比26%増)、経常利益は、約360億円(前期比19%増)。営業収入の海外比率は36%を占めている。海外事業関係は1400人を擁しており、米国、アフリカ、欧州等の地域で販売展開。 コロナ関連の開発の進展/新薬 研究開発人員は2800人、2020年上半期の研究開発費用は480億円に上っている。 BioNTechから導入のコロナワクチン(mRNA)は、台湾、香港では上市済、中国は上市承認の最終段階にある。また、バイオシミラー等の複数の新製品を上市した。 アムジェンから乾癬治療薬、腎疾患薬の2剤の中国での販売権を取得。 更には、子会社を通じてCAR-T細胞治療薬の上市承 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/fosun-1.gif 250 500 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-09-28 13:29:322022-09-28 13:29:45【復星医薬】2022年上半期の状況・実績
【恒瑞医薬】2022年上半期の状況・実績2022年9月28日/川本 敬二/企業分析全般状況 HengRui(恒瑞)の医薬ビジネスの二本柱である「ジェネリック」・「新薬」ビジネスの何れも収益面で難しい局面にある。前者の「ジェネリック」は、主要製品が集中買付の対象となったことから収入減となり、他方、「新薬」は、複数の製品が医療保険の対象となり薬価が下がったことと、更には、研究開発の拡大による費用の高騰を招いたこと、且つコロナ禍のコスト高により、2022年の上半期の決算は、営業収入、利益とも前期比減となった。上半期:営業収入:約2050億円(前期比.23%減)、経常利益:約400億円(前期比:24%減)。 新薬の承認と研究開発の進展 2022年上半期の研究開発費は、約600億円(前期比13%)となり、営業収入の28%強を研究開発に投入。 研究開発の成果としては、AR阻害剤(抗アンドロゲン/前立腺癌)がNMPA(中国薬事当局)により6月に承認された。mHSPC(転移性ホルモン感 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/hengrui-706x321-1.png 450 900 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-09-28 13:27:402022-09-28 13:31:33【恒瑞医薬】2022年上半期の状況・実績
【華海薬業】米国で製剤に力を入れたことで中国国内で想定外の大成功2022年9月28日/呉 晨/企業分析近年、中国で実施されてきたジェネリック医薬品に対する一致性評価は、中国の医薬品業界にとって突然降ってわいた大嵐のようなものでした。そういった環境下でも、ほぼ最高利益を上げてきたのは浙江省に本社を置く華海薬業(HuaHai / 株式コード:600521;上海)です。なぜ、華海薬業は大成功を収めることができているのか、おそらく自身も予想だにしなかったことだと思います。 華海薬業はAPI領域でのリーディングカンパニーとして知られてきました。特に降圧薬系ACE阻害薬及びARB薬APIの主要供給メーカーでもあります。他方、華海薬業が製剤メーカーとして中国国内で名を知られるようになったのは、2016年から始まったジェネリック医薬品に対する厳格な一致性評価を契機とします。一致性評価をパスするには、生物同等性試験(BE)のほか、CMC(薬学)の再研究も必要となり、たとえすべて順調でも、審査期間を考慮しなく [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/09/p_group02.jpg 360 557 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2022-09-28 13:13:572022-09-28 13:15:45【華海薬業】米国で製剤に力を入れたことで中国国内で想定外の大成功
【真実生物】コロナ治療薬の真実生物が香港市場にIPO申請2022年8月8日/川本 敬二/IPO先月中国初の経口コロナ治療薬承認を獲得したばかりの真実生物(河南真实生物科技)が、香港市場へのIPOを申請しました。 2022年8月4日に提出された目論見書によると、コロナ治療薬Azvudine(阿兹夫定)の製造や商業化、治験のための資金調達ということです。発行する株式の数や調達予定額については記載されていません。 コロナ治療薬Azvudine(阿兹夫定) Azvudine(RO-0622)はHIV治療薬として2021年7月にNMPAによって上市承認されたNRTI(核酸系逆転写酵素阻害剤)です。2022年7月25日にはCOVID-19を適応症に追加することを承認され、中国で初の経口コロナ治療薬となりました。 2022年8月7日には1錠約170円以下(35錠で300元未満)で購入できると発表されました。HIV薬としての価格が1錠500円くらいですから、利益率はかなり低くなりそうです。 Azv [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/23505862_m.jpg 1358 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-08-08 10:46:502022-08-08 11:37:41【真実生物】コロナ治療薬の真実生物が香港市場にIPO申請
ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト2022年8月4日/川本 敬二/医薬市場|政策行政「集中買付」の背景 従来、上海人のリッチな方々が病気をして薬を服用する際には、中国産のジェネリック薬には見向きもせず、海外のオリジナル薬を購入していました。国産のジェネリック薬の品質を全く信用していなかったからです。 中国政府(NMPA)がジェネリック薬の品質問題に大鉈を振るったのが、2016年に始まるジェネリック薬のオリジナル薬との一致性の再評価政策でした。多くのジェネリック薬の承認が取り下げられ、NMPAはBE試験等のオリジナル薬との一致性の試験を再実施したジェネリック薬にのみ承認を再付与しました。品質問題の解決の後に続いたのが、医薬品業界のコスト構造の変革です。それは、2019年に始まった国による医薬品の集中買付制度とその後の拡大です。2022年に入って第6回、続いて第7回の集中買付がなされました。 第7回集中買付 国の集中買付に参加できるのは、前記の一致性試験をパスして承認が下りた [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-08-04 09:50:512022-08-08 11:12:22ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト
【科倫博泰】Kelunがメルクに対し1200億円規模のライセンス導出2022年7月29日/川本 敬二/ディールKelun(科倫)のライセンスディール 科倫博泰(Kelun-Biotech)は、自社研究開発のSKB264(TROP2-ADC/TNBC乳がん)の全世界の開発・製造・販売権をメルク(Merck)に付与しました(2022.7.26発表)。ライセンスの経済条件は、upfront:$35M(47億円)、milestones総額:$901M(1210億円)です。 SKB264はKeLun-Biotech自社開発のTROP2-ADCで、中国でTNBC(乳癌)患者のPhase III、および非小細胞は胃癌のPhase IIを実施中です。Kulun-Biotechは、四川省の成都の医薬品ガリバー企業である科倫集団(Kulun)が成都の医学城(Chengdu Medical City)に2016年に新薬の研究開発等を目的に設立した子会社です。 なおKulun-Biotechは2021年にも自社研究開発 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2017/07/8735317_xxl.jpg 2832 3814 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-29 22:47:552022-08-08 11:14:26【科倫博泰】Kelunがメルクに対し1200億円規模のライセンス導出
中国発の新薬 / FDA(米国)承認申請の行方2022年7月27日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場BeiGeneのPD-1抗体の承認申請とFDAの反応 BeiGene(百済神州)は2019年11月、米国FDAからBTK阻害剤(Brukinsa)を適応症:MCL(セカンドライン)として承認を取得。現在では、米・中・欧州・加・豪州を含む20か国で上市しています。そしてそれに続くグローバル品であるPD-1抗体(Tislelizumab)については、2021年1月に中国での承認が下りたのを機に、ノバルティス(Novartis)に対して米国での共同販売権を留保しつつ、中国を除くグローバルな販売権を供与(契約金アップフロント額:6億5千万ドル)。BeiGeneは、35か国で9000人の患者を組込む(うち中国:6千人、海外:3千人)臨床試験を実施してきました。 Tislelizumabの米国での最初の申請の適応症は、食道扁平上皮癌(セカンドライン)でした。中国を含むアジア、欧州、北米の10か国でなさ [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/07/fda-stamp.webp 900 1600 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-27 14:51:172022-07-28 09:56:14中国発の新薬 / FDA(米国)承認申請の行方
米欧+中国での新薬承認 コロナ禍の2022年上半期の実績2022年7月19日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場米国、欧州、中国の上市承認の件数と中国の躍進 コロナ禍にあって、2022年上半期はコロナワクチン、コロナ治療薬の開発および上市承認が進展をみましたが、他の疾患領域での上市承認も歩みを止めることはありませんでした。米国、欧州、中国の三極の薬事当局(FDA, EMA, NMPA)がこの期間中に上市承認を付与した新薬の疾患領域別の件数は、癌(肿瘤)がトップ、その次は感染症でした。癌領域では、三極の内、中国(NMPA)の上市承認の件数がトップ(下記グラフの黒色)となっています。下記のとおりです。 なお2022年上半期、新薬に対して世界で最初に上市承認を付与した薬事当局としては、FDAが14剤の新薬を承認しトップ。EMA(欧州)が5剤、NMPA(中国)は、自主研究開発の進展により7剤となっています。承認対象は、低分子化合物以外に抗体、細胞治療等が含まれています。 中国企業の中国での新薬承認リスト(2 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-19 20:11:472022-07-19 20:11:47米欧+中国での新薬承認 コロナ禍の2022年上半期の実績
【2022年上半期】中国でR&Dされ欧米へライセンス導出された新薬一覧2022年7月14日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場|ディール2022年上半期―中国企業Business Developmentの健闘 中国企業のR&Dが生み出した新薬等の海外企業へのライセンス導出は、2022年上半期に28件の成立をみました。内、20件が新薬・新技術関連、4件がバイオシミラー、4件がジェネリック・改良型医薬でした。 下記がそのリストです。 <2022年上半期ライセンス導出リスト> 中国企業 (ライセンサー) 海外企業 (ライセンシー) ライセンス対象品目 Upfront (US$) 取引総額 Kelun (科倫) Merck ADC(TROP2) 47M 1.4B Junshi Pharma (君実) Coherus(米) TIGIT抗体 35M 290M Harbour (和铂医薬) AstraZeneca 二重特異性抗体 (CLDN18.2/CD3) 25M 350M LaNova (礼新医药) Turning Poin [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-14 14:09:572022-07-14 14:09:58【2022年上半期】中国でR&Dされ欧米へライセンス導出された新薬一覧
中国2022年上半期、それでも医薬30社がIPOを果たす!2022年7月9日/川本 敬二/IPO|医薬市場1.全体情勢 バイテク企業の資金調達を取り巻く環境、山あり谷あり、ですが今は全世界的に我慢の時代に突入しており、アメリカでも多くのバイテクがリストラ・プロジェクトの売却等に走っています。米国のインフレや利上げで米国の投資資本が世界的に引き潮になっており、中国・香港も例外ではなく、米国マネーが逃げております。 中国の未公開のバイテク企業への投資は、まず中国に長らく根を張っている米国系の投資会社が対象の医薬技術・人(トップ)の目利きの役割を果たしてシード投資、その後中国系のマネーがどっと入って来るのが一つの典型例です。そして中国のIPO市場としては、規模が最大で重要な香港市場でもやはり米国系マネーが大きな役割を果たしてきました。ところが昨年の秋以降、米国マネーの潮が引き、さらに中国の国内的な要因も重なり、未公開企業への投資およびIPO市場が冬の時代に入っています。 2.上海・深センでのIPO [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-09 14:42:442022-07-09 14:42:45中国2022年上半期、それでも医薬30社がIPOを果たす!
データから見る中国新薬R&Dの変化2022年5月31日/川本 敬二/医薬市場中国の経済規模(GDP)は10年前に日本を追い越し、その後米国を追いかけ、昨年は米国の75%にまで迫りました。一方で一人当たりのGDPは日本の数分の一。平均レベルは低い一方で、日本のリッチな方々の上を行く富裕層も中国には分厚く存在するのもまた事実です。 中国の新薬R&Dも全体の経済規模の膨張を体現しているような様相を呈してきました。 2015年に始まった中国の医薬品産業に関する行政・政策(薬事、知財、一般法等)の大きな舵切りによって、その後、中国の新薬R&Dは想定外の飛躍をみています。公表されているNMPA(薬事当局)の年報をベースに過去からの変化を辿ってみたいと思います。 1.INDの申請数 中国での新薬のIND申請数は、10年前は30件だったのが、2021年は640件に上りました。 下記の通り、2015年の政策転換を契機にIND申請数は2017年に大幅増、そしてここ3年 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-05-31 10:34:532022-07-09 14:09:20データから見る中国新薬R&Dの変化
香港IPO、2024上半期のまとめと今後の見通し
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