川本バイオビジネス弁理士事務所
KAWAMOTO Life Science IP Advisories

ライフサイエンス技術の ビジネス化
&
米中を含めた国際展開をご支援します

最新情報

5月1日より抗がん剤の関税を撤廃

国務院常務会議において李克強総理は抗がん剤の関税をなくすと発表し大きな話題になりました。しかしよく調査してみるとこれだけではあまり実効性のある政策ではありません。他の2つの政策と組合せることによって、実効性と話題性を持たせることに成功しています。この政策の背景についても解説しています。 [続きを読む]

医薬品特許保護期間を上市から5年認める、データ保護期間も延長

5月15日、日本経済新聞は「中国、薬の特許期間を延長 5年間、先進国並みに」という記事を掲載し、中国が5月から医薬品の特許期間を今の20年から最長25年間に延長し、先進国と足並みをそろえたと報道しました。しかしこの報道には若干修正が必要です。さらに詳しい情報をお伝えします。 [続きを読む]

中国 / 医薬品の承認審査に関する法規制の現状

中国の医薬品の承認審査の制度改革に関連して、今、医薬品の監督官庁である国家食品薬品監督管理局(SFDA)によって「医薬品の承認審査(登録)に関する管理弁法」の改正作業が進んでいます。今回の「中国医薬品ビジネス レポートNo.4」では、かかる制度改革に焦点を当てて、解説したいと思います。 [続きを読む]

中国特許法の第四次改正(後半)-特許権の強化 vs 特許権の濫用

昨年 2015 年 4 月に中国特許庁より公表され、パブリックコメントを募った改正法案に基づき、その改正の方向性について、中国特許法の第四次改正案(前半)にて説明致しました。近年、中国の政府及び国内企業が研究開発の投資を積極化していることを受けて、中国国内の研究機関に於いて、自主技術、自主知財の蓄積が大幅に進んでいます。更には、中国経済が「新常態」に入り、従来の労働・資源集約型の重厚長大産業を中心とした産業構造からの脱却、その為のイノベーションの推進政策に力点が移されています。そのような中国の経済環境の大きな変革の下、特許法の改正準備作業が進んでいると言えます。 [続きを読む]

実施行為と非侵害規定(Bolar条項)

開発(臨床開発を含む)による特許権の「使用」ですが、例えば、ジェネリック企業が第三者の有する特許でカバーされる新規特許医薬品をその有効期間中に開発(特許発明の実施)することは、特許権者の権利を侵害することになるのか? これについては、米国では、特許法271(e)(Bokar条項)により、非侵害行為、日本でも、特許法に明文の規定はないものの最高裁の判例により非侵害行為と考えられています。 さて、中国では。 [続きを読む]

中国薬事制度改革(第2回)― 激動の 2015 年

1.始めに 中国の2015年は、「医薬品審査承認制度」の「改革元年」として位置づけられると思います。今年、下記のリストに示された重要な政府通知が発せられました。今回の中国医薬品ビジネス・レポートNo.2では、前回に引き続いて、「改革の方向性」、「承認申請の滞貨問題」及び「国際共同治験のガイドライン」に関するポイントを採り上げます。 公布日 組織名 文署名 主要な内容 2015.08.18 国務院 医薬品・医療機器の審査承認制度の改革方針 (国発国发〔2015〕44 号) ・新薬の定義の変更 ・NCE 新薬の審査承認のスピード化 ・販売承認制度への移行 ・海外未承認薬について、中国国内での臨床試験の実施に関する承認システム 2015.07.31 CFDA 承認申請の滞貨問題の解決の為の政策意見 (140 号通知) ・ジェネリック薬の水準向上 ・IND(臨床試験申請)の審査承認の最適化(届出制 [続きを読む]

中国薬事制度改革(第1回)― 激動の 2015 年

1.始めに CFDA(中国の国家食品薬品監督管理総局)は、2015 年の年頭に、今年を医薬品審査承認制度の改革元年にするとして、業界内に風雲急を告げる年が始まりました。その後、ご承知の通り、次々と関連する文書・通知が発せられましたが、その重要なものは下記の通りです。 公布日 組織名 文署名 主要な内容 2015.08.18 国務院 医薬品・医療機器の審査承認制度の改革方針 (国発国发〔2015〕44 号) ・新薬の定義の変更 ・NCE 新薬の審査承認のスピード化 ・販売承認制度への移行 ・海外未承認薬について、中国国内での臨床試験の実施に関する承認システム 2015.07.31 CFDA 承認申請の滞貨問題の解決の為の政策意見 (140 号通知) ・ジェネリック薬の水準向上 ・IND(臨床試験申請)の審査承認の最適化(届出制) ・臨床上、必要性が高い医薬品の承認 2015.01.30 CF [続きを読む]

中国特許法の第四次改正(前半)

今、第4次の特許法の改正に向けて議論が盛んです。前回の第3次の改正は、2009年になされました。それから6年が経過し、特許侵害訴訟の局面で、制度上の不備も指摘されています。中国で自主イノベーションの能力がある一定の水準に達しつつある今、イノベーションを軸に経済構造の展開を図らなければならない中国にとって、イノベーションを更に推進する為に特許制度の見直しが必須の情勢であるという社会的な背景があります。 [続きを読む]

改良発明とグラントバック

ある基本技術Xについて、日本企業(ライセンサー)が中国で基本特許を有しており、当該特許に基づき、中国企業(ライセンシー)に契約地域を中国としてライセンス許諾がされることを想定してみましょう。中国企業のR&D能力が強化されつつある現状では、基本技術Xが製品であれ製造方法であれ、ライセンシーの中国企業は中国での基本特許のライセンス許諾を受けた後に、技術Xそれ自身の商品化を行うことと並行して、技術Xの技術改良に努めることも十分にありうると想定しておかなければならないでしょう。 [続きを読む]

中国ライセンス―海外からの視点

新製品を生み出す為に必要とされる基礎技術がより広範に、そして、より高度になってきており、これら全ての基礎技術を自社で開発・獲得し、単独で新製品の創出をしていくことは、非常に難しい時代になってきています。そこで、世界的な潮流として、オープン・イノベーションという概念が形成されています。中国は、「世界の工場」としての地位を基盤に、「世界における重要な商品・サービス市場」としての位置づけの認識が深まり、今後は、「世界の研究開発基地」としての飛躍が期待されているところです。そういった環境下、中国でも、他の会社・組織と連携しつつ新製品の創出を図る、オープン・イノベーションを積極的に図っていく必要性があると言われています。 [続きを読む]