日本の総理大臣が7年ぶりに中国を公式訪問した10月26日、52本の協力覚書が交換されました。
そのうちの一件として、富士フイルムと中国の浙江海正との、抗インフルエンザ薬「アビガン」に関する提携の覚書があります。
臨床データの提供
富士フイルムは、これまで蓄積してきた「アビガン」の臨床データ等を、浙江海正ほか、中日友好病院と国家緊急防控薬物工程技術研究中心に提供します。
注射剤の開発
富士フイルムと海正薬業は、「アビガン」の有効成分を用いて、重症インフルエンザ患者などを対象とした注射剤の開発を検討します。
すでに2016年6月には、富士フイルムは浙江海正に対して、「アビガン(有効成分ファビピラビル)」の開発・製造・販売の権利を与えており、今回は内容を一部拡大しただけのものとなっています。
しかし、首脳会談にて発表される52件の中にこの案件を含めたということは、日中双方で医薬品開発を重視していることの表れと言えます。
尚、海正のトップの白董事長は、11月8日に退任の発表をしました。長期に亘り海正を率いてきた71歳の白董事長の今回の退任は様々な憶測を呼んでいますが、最後の置き土産として、この日中間の協力拡大を残してくれたと言えるのかも知れません。