中国での臨床試験のSpeed Up化 / 治験申請(IND)が「30日」承認の方向へ2024年9月12日/川本 敬二/政策行政7月末にNMPA(薬監局)からIND申請から「30日」以内に承認の可否を下す試行を2025年1月から開始すると発表されました。<臨床試験の承認審査の最適化の為の試行的運用の通達 / 优化创新药临床试验审评审批试点工作方案的通知> https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/fgwj/gzwj/gzwjyp/20240731184417109.html 1.7月の薬事承認申請の件数 7月単月の医薬品の承認申請件数は、1219件(上市、臨床試験等を含む)でした。下記の表1を参照。このうち、臨床試験に関する申請(IND)は172件、その中で、一類の新薬(新規有効成分を含む薬剤)は128件。 国内外別のIND申請の内訳は、中国国産によるものが107件、輸入品が21件です。 従来、申請してから「60日」以内に当局からNoの返事がない限り、臨床試験を開始してよいというルールでした(薬品管 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-09-12 11:22:342024-09-13 14:19:46中国での臨床試験のSpeed Up化 / 治験申請(IND)が「30日」承認の方向へ
中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)2024年1月16日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「特許期間の延長」の制度、いよいよ、運用がスタート、知識産権局(中国特許庁)で審査が始まります! 2021年に改正された特許法の中で、新薬の特許について5年を限度(但し、新薬上市後、14年を超えず)とする「特許期間の延長」に関する規定が盛り込まれました。それに前後して、具体的な運用を盛り込んだ実施細則、審査便覧(「審査指南書」)の改正案が公表され、その中で「特許期間の延長」に関して、延長の計算方法も含め、詳細な規定案が示されていました。ところが、それから2年間、公表された案に対して、中国国内で意見聴取はされていたものの、改正案が最終化されず、宙ぶらりんでした。販売承認が下りた新薬に対し、特許権者は「特許期間の延長」の申請をしていましたが、知識産権局(中国の特許庁)でどのような取扱いになっているのか誰にも分からない状況でした。 2023年末に、上記の「実施細則🔗」、「審査指南書🔗」の最 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-01-16 11:31:522024-03-22 11:35:58中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)
【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展2023年6月28日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「新薬の知財保護」の新制度のグランドデザインは、2017年に国務院の公表による「新薬等の研究開発を推進する為の承認申請制度の改革に関する政策文書(42号文書)(关于深化审评审批制度改革鼓励药品医疗器械创新的意见)」の中で、下記の3つの制度を導入する旨、明記されています。 その後、2021年1月、トランプの“活躍”で「米中貿易協議書」の中に中国の知財保護制度の改正に対して言及されており、中国は、新薬等の知財保護として、上記の①、➁、③の3制度の導入をアメリカに対してコミットしました。 そして、2021年6月に改正特許法が施行され、その中には、上記の①、③が条文として盛り込まれました。さて、現在、具体的な実施状況は如何に? 1.Patent Linkage 先発の新薬をカバーする特許(一般に当該新薬を開発した企業が所有する特許:「新薬特許」)の満了前に、対応のジェネリック薬が薬事当局(N [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2023-06-28 20:21:212024-04-08 22:55:50【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展
本気で取り組む / データねつ造で刑事罰2022年12月13日/呉 晨/政策行政|中国知財中国の臨床試験に対するイメージを日本の医薬関係者に聞くと、おそらく今でも多くの方は、「ねつ造、でたらめ」の言葉が出てくるのではないのでしょうか。しかし、最近の日米中の臨床試験に詳しい専門家によると、今の中国の臨床試験のデータのクオリティーはほかの国に全く劣っていない。むしろ、優っている可能性もあるくらいにまで向上しているようです。 その背景としては、2017年の「ICH加盟」及び同年に導入された医薬品・医療機器申請資料のねつ造に「刑事罰」が適用されることになったことが大きなインパクトを与えている思われます。 2017年に発表された最高人民法院・最高人民検察院の共同法律解釈によると、被験動物情報・被験者情報など医薬品の非臨床研究データ・臨床試験データをねつ造により、医薬の安全性・有効性評価結果に影響を与えた場合、「虚偽の証明文書を故意に提供」したことになり、最高5年の刑事罰が科されうることに [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 0 0 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2022-12-13 11:29:562024-09-07 13:13:08本気で取り組む / データねつ造で刑事罰
ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト2022年8月4日/川本 敬二/医薬市場|政策行政「集中買付」の背景 従来、上海人のリッチな方々が病気をして薬を服用する際には、中国産のジェネリック薬には見向きもせず、海外のオリジナル薬を購入していました。国産のジェネリック薬の品質を全く信用していなかったからです。 中国政府(NMPA)がジェネリック薬の品質問題に大鉈を振るったのが、2016年に始まるジェネリック薬のオリジナル薬との一致性の再評価政策でした。多くのジェネリック薬の承認が取り下げられ、NMPAはBE試験等のオリジナル薬との一致性の試験を再実施したジェネリック薬にのみ承認を再付与しました。品質問題の解決の後に続いたのが、医薬品業界のコスト構造の変革です。それは、2019年に始まった国による医薬品の集中買付制度とその後の拡大です。2022年に入って第6回、続いて第7回の集中買付がなされました。 第7回集中買付 国の集中買付に参加できるのは、前記の一致性試験をパスして承認が下りた [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-08-04 09:50:512022-08-08 11:12:22ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト
【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化2022年5月16日/川本 敬二/政策行政|中国知財1.中国での新薬等の知財保護制度の現状の概略(as of 2022年5月) 中国の新薬知財保護の改革の二本柱のうち、特許期間の延長に関しては、改正された特許法(2021年6月発効)で明文化されました。「医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される」で述べているように、細部の議論(重要な)は残されていますが、延長制度は実務上、動き出しています。 中国の新薬知財保護の改革の二本柱のうち、もう一つの柱であるデータ保護とは、NMPA(薬事当局)が対象となる新薬等に対して、特許の有無に関わらず一定期間の保護を与え、その期間はジェネリック薬の承認を原則として下ろさないというものです。日本では新薬等の承認後の「再審査期間/先発権」、米国では「販売独占権」、欧州では「データ保護制度」と呼ばれていますが、中国では「データ保護」の名の下で制度化が進められています。 中国での新薬イノベーション推進政 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-05-16 17:25:572022-05-25 13:07:50【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化
医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される2022年4月15日/川本 敬二/R&D新薬|政策行政|中国知財中国では3月11日、全人代(中国の立法府/全国人民代表大会)が閉幕、その後例年通り首相の李克強が国内外のメディアに対する記者会見を長時間にわたって行いました。中国の安定的な経済発展の実現に向けた強い覚悟を感じさせる鬼気迫る会見でした。ウクライナ情勢の話題も出ましたが、多くは経済・民生問題に時間が割かれました。経済問題はGDP5.5%増の目標値の説明から始まり、雇用・就業問題、イノベーション推進と多岐にわたりましたが、随所に「大会での経済界との協議・要望を踏まえて~、」との言葉がありました。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-04-15 09:35:002022-05-17 10:27:13医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される
中国医療保険と医薬品企業の打開策2022年4月6日/川本 敬二/政策行政日本の健康保険組合では、従業員の賃金が頭打ちになっていることから支払われる保険料の収入が伸び悩んでいます。他方、薬剤費を含む高齢者医療への支払い等の増加により健康保険組合の財政が悪化しています。さて中国では、医療保険の財政はどうなっているのでしょうか? [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-04-06 06:46:002022-04-06 00:03:23中国医療保険と医薬品企業の打開策
中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画(下)2022年3月15日/川本 敬二/政策行政「14次医薬産業五カ年計画」の特徴・内容 / 「13次計画」からの変化について。前回の13次計画は、工業情報部、発展改革委員会、科学技術部、商務部、衛生健康委員会、NMPA(国家医薬監督管理局)でした。それに加えて、今回の14次では、医療保険局、漢方管理局、緊急事態治安局が加わり、合計9組織が策定に参加しました。即ち、国家計画の策定部署・情報化・科学技術・通商産業・厚生・薬事等の主管部署に加えて、医療保険、漢方・中医、危機対応の部署が追加されたことになります。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-03-15 07:23:002022-03-17 13:48:19中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画(下)
中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画 (上)2022年3月14日/川本 敬二/政策行政中国の経済成長は、ポジティブにもネガティブな意味でも国家主導の色合いが濃いと言えます。それは、丁度、日本の高度成長期の通産省等の政府主導の経済運営による企業の発展、そういった時代の日本の成長に重なって見えます。中国の国家計画とそれに基づく、各業界の五か年計画は、そこに書かれているシナリオに従って国が資金を流し、政府が各企業に対して諸々のサポートをして行くという意味で非常に重要です。中国企業は、この計画に従って企業運営をしていけば利益に繋がっていくことになりますので、五か年計画は「決して」無視できない存在となっています。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-03-14 16:04:002022-03-17 13:46:45中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画 (上)
2021年版国家医療保険償還医薬品リスト2021年12月12日/呉 晨/政策行政2021年12月3日、中国国家医療保障局は2021版国家医療保険償還医薬品リストを正式発表した。新たに74品目が収載された一方、11品目が除外され、同リスト収載品目は2860品目となった。同リストの実施は2022年1月1日。 中国国家医療保障局によると、今回、当局と医薬品メーカー等との直接交渉で医薬品の全国統一価格を決定する「国家談判制度」のプロセスを踏んだ品目は94品目。リスト外から採用された67品目の薬価の引き下げ率は平均で61.71%に達した。 同リスト新規収載品目の内訳は、高血圧、糖尿病、高脂血症、精神疾患などの慢性疾患用薬は20品目、抗腫瘍薬は18品目、C型肝炎、エイズなどへの抗感染薬は15品目、オーファンドラッグ7品目、新型コロナウィルス治療薬は2品目、その他領域の薬は12品目となった。業界内外で関心の高い抗腫瘍薬の薬価引き下げ率は64.88%だった。オーファンドラッグでは、武 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2021-12-12 17:53:002022-07-19 20:15:592021年版国家医療保険償還医薬品リスト
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】2021年7月21日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国版パテントリンケージ制度が2021年7月ついに始まりました。この制度の全体像、そして具体的な流れを解説します。新薬の上市承認の際には特許情報プラットフォームへの特許情報入力が求められるようになりました。ジェネリック申請の際には、そうした情報への声明を登録しなければなりません。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-07-21 18:45:042021-07-22 11:58:56施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】
中国での臨床試験のSpeed Up化 / 治験申請(IND)が「30日」承認の方向へ
中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)
【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展
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ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト
【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化
医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される
中国医療保険と医薬品企業の打開策
中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画(下)
中国の新薬ビジネスはどこへ向かう?/新五か年計画 (上)
2021年版国家医療保険償還医薬品リスト
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】