ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト2022年8月4日/川本 敬二/医薬市場|政策行政「集中買付」の背景 従来、上海人のリッチな方々が病気をして薬を服用する際には、中国産のジェネリック薬には見向きもせず、海外のオリジナル薬を購入していました。国産のジェネリック薬の品質を全く信用していなかったからです。 中国政府(NMPA)がジェネリック薬の品質問題に大鉈を振るったのが、2016年に始まるジェネリック薬のオリジナル薬との一致性の再評価政策でした。多くのジェネリック薬の承認が取り下げられ、NMPAはBE試験等のオリジナル薬との一致性の試験を再実施したジェネリック薬にのみ承認を再付与しました。品質問題の解決の後に続いたのが、医薬品業界のコスト構造の変革です。それは、2019年に始まった国による医薬品の集中買付制度とその後の拡大です。2022年に入って第6回、続いて第7回の集中買付がなされました。 第7回集中買付 国の集中買付に参加できるのは、前記の一致性試験をパスして承認が下りた [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-08-04 09:50:512022-08-08 11:12:22ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト
中国発の新薬 / FDA(米国)承認申請の行方2022年7月27日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場BeiGeneのPD-1抗体の承認申請とFDAの反応 BeiGene(百済神州)は2019年11月、米国FDAからBTK阻害剤(Brukinsa)を適応症:MCL(セカンドライン)として承認を取得。現在では、米・中・欧州・加・豪州を含む20か国で上市しています。そしてそれに続くグローバル品であるPD-1抗体(Tislelizumab)については、2021年1月に中国での承認が下りたのを機に、ノバルティス(Novartis)に対して米国での共同販売権を留保しつつ、中国を除くグローバルな販売権を供与(契約金アップフロント額:6億5千万ドル)。BeiGeneは、35か国で9000人の患者を組込む(うち中国:6千人、海外:3千人)臨床試験を実施してきました。 Tislelizumabの米国での最初の申請の適応症は、食道扁平上皮癌(セカンドライン)でした。中国を含むアジア、欧州、北米の10か国でなさ [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/07/fda-stamp.webp 900 1600 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-27 14:51:172022-07-28 09:56:14中国発の新薬 / FDA(米国)承認申請の行方
米欧+中国での新薬承認 コロナ禍の2022年上半期の実績2022年7月19日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場米国、欧州、中国の上市承認の件数と中国の躍進 コロナ禍にあって、2022年上半期はコロナワクチン、コロナ治療薬の開発および上市承認が進展をみましたが、他の疾患領域での上市承認も歩みを止めることはありませんでした。米国、欧州、中国の三極の薬事当局(FDA, EMA, NMPA)がこの期間中に上市承認を付与した新薬の疾患領域別の件数は、癌(肿瘤)がトップ、その次は感染症でした。癌領域では、三極の内、中国(NMPA)の上市承認の件数がトップ(下記グラフの黒色)となっています。下記のとおりです。 なお2022年上半期、新薬に対して世界で最初に上市承認を付与した薬事当局としては、FDAが14剤の新薬を承認しトップ。EMA(欧州)が5剤、NMPA(中国)は、自主研究開発の進展により7剤となっています。承認対象は、低分子化合物以外に抗体、細胞治療等が含まれています。 中国企業の中国での新薬承認リスト(2 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-19 20:11:472022-07-19 20:11:47米欧+中国での新薬承認 コロナ禍の2022年上半期の実績
【2022年上半期】中国でR&Dされ欧米へライセンス導出された新薬一覧2022年7月14日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場|ディール2022年上半期―中国企業Business Developmentの健闘 中国企業のR&Dが生み出した新薬等の海外企業へのライセンス導出は、2022年上半期に28件の成立をみました。内、20件が新薬・新技術関連、4件がバイオシミラー、4件がジェネリック・改良型医薬でした。 下記がそのリストです。 <2022年上半期ライセンス導出リスト> 中国企業 (ライセンサー) 海外企業 (ライセンシー) ライセンス対象品目 Upfront (US$) 取引総額 Kelun (科倫) Merck ADC(TROP2) 47M 1.4B Junshi Pharma (君実) Coherus(米) TIGIT抗体 35M 290M Harbour (和铂医薬) AstraZeneca 二重特異性抗体 (CLDN18.2/CD3) 25M 350M LaNova (礼新医药) Turning Poin [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-14 14:09:572022-07-14 14:09:58【2022年上半期】中国でR&Dされ欧米へライセンス導出された新薬一覧
中国2022年上半期、それでも医薬30社がIPOを果たす!2022年7月9日/川本 敬二/IPO|医薬市場1.全体情勢 バイテク企業の資金調達を取り巻く環境、山あり谷あり、ですが今は全世界的に我慢の時代に突入しており、アメリカでも多くのバイテクがリストラ・プロジェクトの売却等に走っています。米国のインフレや利上げで米国の投資資本が世界的に引き潮になっており、中国・香港も例外ではなく、米国マネーが逃げております。 中国の未公開のバイテク企業への投資は、まず中国に長らく根を張っている米国系の投資会社が対象の医薬技術・人(トップ)の目利きの役割を果たしてシード投資、その後中国系のマネーがどっと入って来るのが一つの典型例です。そして中国のIPO市場としては、規模が最大で重要な香港市場でもやはり米国系マネーが大きな役割を果たしてきました。ところが昨年の秋以降、米国マネーの潮が引き、さらに中国の国内的な要因も重なり、未公開企業への投資およびIPO市場が冬の時代に入っています。 2.上海・深センでのIPO [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-07-09 14:42:442022-07-09 14:42:45中国2022年上半期、それでも医薬30社がIPOを果たす!
データから見る中国新薬R&Dの変化2022年5月31日/川本 敬二/医薬市場中国の経済規模(GDP)は10年前に日本を追い越し、その後米国を追いかけ、昨年は米国の75%にまで迫りました。一方で一人当たりのGDPは日本の数分の一。平均レベルは低い一方で、日本のリッチな方々の上を行く富裕層も中国には分厚く存在するのもまた事実です。 中国の新薬R&Dも全体の経済規模の膨張を体現しているような様相を呈してきました。 2015年に始まった中国の医薬品産業に関する行政・政策(薬事、知財、一般法等)の大きな舵切りによって、その後、中国の新薬R&Dは想定外の飛躍をみています。公表されているNMPA(薬事当局)の年報をベースに過去からの変化を辿ってみたいと思います。 1.INDの申請数 中国での新薬のIND申請数は、10年前は30件だったのが、2021年は640件に上りました。 下記の通り、2015年の政策転換を契機にIND申請数は2017年に大幅増、そしてここ3年 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-05-31 10:34:532022-07-09 14:09:20データから見る中国新薬R&Dの変化
中国医薬品企業の規模の膨張2022年1月18日/川本 敬二/医薬市場日本の医薬品企業は営業・R&D部門も含め、近年、規模の縮小に走っている感があります。 一方で中国の企業は、新薬の研究開発、ビジネス化に向けて規模の拡大に走っています。 中国のCRO業界の雄である薬明康徳 (Wuxi) は、昨年一年間だけで従業員数が8500人増加しました(2022年JP Morganでの発表)。従業員総数は3万5千人となり、そのうち研究開発要員は80%を占めており2万9千人です。コロナにより一昨年来、日本の医薬品企業を含めグローバルに各社の研究所が閉鎖に追い込まれた時期がありました。各社は、自社研究所の代替としてCROに研究を外注する方向に動き、中国のCROはどこも活況に沸きました。薬明康徳の従業員数の激増は、そのようなグローバルの動きを端的に反映していると思われます。 さらには、新薬の癌ベンチャーの雄である百済神州(Beigene),低分子・抗体新薬を広くカバーし [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-01-18 16:49:002022-05-19 17:43:38中国医薬品企業の規模の膨張
2021年総括−中国企業のNDA新薬申請2022年1月17日/川本 敬二/R&D新薬|医薬市場中国社会は、政府の号令下に各分野でイノベーション推進にうなされていると言ってもいいような状況にあります。新薬の研究開発分野もご多分に漏れず、ここ数年の間に大きな進展を見ています。 2021年、中国の内資企業の新薬(新規有効成分NCEを含む薬剤/一類)のNDA申請(上市の為の承認申請)件数は、16件でした。日本の内資企業の日本へのNDA申請件数、比較データがないのですが、中国企業の数字もそこそこの所に来ているといった印象です。 申請企業 / 癌適応症等 NDA申請がされた薬剤の適応症は、約半分が癌領域です。NDA申請をした企業別の癌適応症は、下記の通りです。 会社 癌のdrug target(癌の適応症) 恒瑞医薬(Hengrui) CDK4/6(乳癌) 同上 AR(前立腺癌) 倍而達薬業(Beta) EGFR-T790M(非小細胞肺癌) 璎黎药业(Yingli) PI3Kδ(リンパ腫) 銀 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2017/07/back01.jpg 2400 3600 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-01-17 17:11:002022-05-19 17:20:472021年総括−中国企業のNDA新薬申請
【恒瑞医薬】収益鈍化―新薬の医療保険収録が影響2021年12月13日/呉 晨/企業分析|医薬市場中国の医薬品業界のリーディング・カンパニーともいえる恒瑞医薬(Hengrui Medicine、600276.SHA)が2021年第三四半期(7月~9月)の決算を発表、純利益は2000年上場後としては初めての減少となりました。 2021年第三四半期の売上高は69億元(通期は202億元)で前年同期比14.84%減(同4.05%増)、純利益は15.4億元(同42.1億元)で前年同期比3.57%減(同1.21%減)となった。 多くの中国製薬企業と同様に恒瑞医薬もジェネリック・メーカーからスタート。いち早く新薬のR&Dを手掛け、今まで数多くの新薬を市場に送ってきた。ジェネリック薬から新薬への転換といった近年の大きな流れの中で恒瑞医薬は先駆的な役割を演じてきたことから中国製薬企業の模範ともされ、株式時価総額もトップとなっている。ここ数年、中国では医薬品の集中購買制度が実施され、この制度改革に [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/08/画像1-1.png 504 735 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2021-12-13 17:59:002022-05-26 17:59:06【恒瑞医薬】収益鈍化―新薬の医療保険収録が影響
医薬品業界の給料と転職事情2021年8月10日/川本 敬二/医薬市場中国の医薬品業界は、コロナ・ウイルスの常態化に伴って社会の関心も高く、給料面でも高水準をキープしています。そういったホットな環境下、医薬品業界内で転職する場合には、転職時の給料は20%アップ以上が一応の目安になっているようです。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/07/pexels-edward-jenner-4031824-1.jpg 985 1500 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-08-10 07:47:002021-08-16 12:03:38医薬品業界の給料と転職事情
中国ジェネリック企業の変化と海外進出2021年7月5日/川本 敬二/医薬市場2015年からの中国の薬事制度改革で、中国の医薬品企業(ジェネリック企業)は大変貌を遂げており、品質向上、生産コストの圧縮、そして国際化の道を走っています。現在、中国では知財保護政策の具体化が進んでいますが、政策の中心である「特許期間の延長」、「Patent Linkage」、「データ保護制度」は先発の新薬の開拓者利益と後発のジェネリック薬の廉価な薬剤提供に対する利益配分をどうやってバランスさせるかの課題でもあることから、中国の新薬の知財制度の理解のためにも、中国ジェネリック薬の動向については目を離せません。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2017/07/back01.jpg 2400 3600 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-07-05 08:22:002022-05-19 17:43:54中国ジェネリック企業の変化と海外進出
医療IT企業四天王とそのサービス内容2021年7月2日/川本 敬二/企業分析|IPO|医薬市場中国ではどの分野であれ、新しいビジネスチャンスがあると言われる領域には多くの企業が一気に参入し巨額の資金が集中投入されます。医療ITも数年前から各社乱入とも言える状況で新ビジネスの立ち上げがあり、その多くが淘汰され、現在生き残りつつあるのはネット巨大企業のアリババや京東が運営するプラットフォーム、有名な薬局チェーン、医薬品の製造流通企業のそれです。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/07/pexels-edward-jenner-4031824-1.jpg 985 1500 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-07-02 14:39:112021-07-02 15:21:43医療IT企業四天王とそのサービス内容
ジェネリック薬の第7回集中買付(国)とそのインパクト
中国発の新薬 / FDA(米国)承認申請の行方
米欧+中国での新薬承認 コロナ禍の2022年上半期の実績
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中国医薬品企業の規模の膨張
2021年総括−中国企業のNDA新薬申請
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