中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)2024年1月16日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「特許期間の延長」の制度、いよいよ、運用がスタート、知識産権局(中国特許庁)で審査が始まります! 2021年に改正された特許法の中で、新薬の特許について5年を限度(但し、新薬上市後、14年を超えず)とする「特許期間の延長」に関する規定が盛り込まれました。それに前後して、具体的な運用を盛り込んだ実施細則、審査便覧(「審査指南書」)の改正案が公表され、その中で「特許期間の延長」に関して、延長の計算方法も含め、詳細な規定案が示されていました。ところが、それから2年間、公表された案に対して、中国国内で意見聴取はされていたものの、改正案が最終化されず、宙ぶらりんでした。販売承認が下りた新薬に対し、特許権者は「特許期間の延長」の申請をしていましたが、知識産権局(中国の特許庁)でどのような取扱いになっているのか誰にも分からない状況でした。 2023年末に、上記の「実施細則🔗」、「審査指南書🔗」の最 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2024-01-16 11:31:522024-03-22 11:35:58中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)
【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展2023年6月28日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国の「新薬の知財保護」の新制度のグランドデザインは、2017年に国務院の公表による「新薬等の研究開発を推進する為の承認申請制度の改革に関する政策文書(42号文書)(关于深化审评审批制度改革鼓励药品医疗器械创新的意见)」の中で、下記の3つの制度を導入する旨、明記されています。 その後、2021年1月、トランプの“活躍”で「米中貿易協議書」の中に中国の知財保護制度の改正に対して言及されており、中国は、新薬等の知財保護として、上記の①、➁、③の3制度の導入をアメリカに対してコミットしました。 そして、2021年6月に改正特許法が施行され、その中には、上記の①、③が条文として盛り込まれました。さて、現在、具体的な実施状況は如何に? 1.Patent Linkage 先発の新薬をカバーする特許(一般に当該新薬を開発した企業が所有する特許:「新薬特許」)の満了前に、対応のジェネリック薬が薬事当局(N [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2023-06-28 20:21:212024-04-08 22:55:50【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展
本気で取り組む / データねつ造で刑事罰2022年12月13日/呉 晨/政策行政|中国知財中国の臨床試験に対するイメージを日本の医薬関係者に聞くと、おそらく今でも多くの方は、「ねつ造、でたらめ」の言葉が出てくるのではないのでしょうか。しかし、最近の日米中の臨床試験に詳しい専門家によると、今の中国の臨床試験のデータのクオリティーはほかの国に全く劣っていない。むしろ、優っている可能性もあるくらいにまで向上しているようです。 その背景としては、2017年の「ICH加盟」及び同年に導入された医薬品・医療機器申請資料のねつ造に「刑事罰」が適用されることになったことが大きなインパクトを与えている思われます。 2017年に発表された最高人民法院・最高人民検察院の共同法律解釈によると、被験動物情報・被験者情報など医薬品の非臨床研究データ・臨床試験データをねつ造により、医薬の安全性・有効性評価結果に影響を与えた場合、「虚偽の証明文書を故意に提供」したことになり、最高5年の刑事罰が科されうることに [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 0 0 呉 晨 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 呉 晨2022-12-13 11:29:562024-09-07 13:13:08本気で取り組む / データねつ造で刑事罰
【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化2022年5月16日/川本 敬二/政策行政|中国知財1.中国での新薬等の知財保護制度の現状の概略(as of 2022年5月) 中国の新薬知財保護の改革の二本柱のうち、特許期間の延長に関しては、改正された特許法(2021年6月発効)で明文化されました。「医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される」で述べているように、細部の議論(重要な)は残されていますが、延長制度は実務上、動き出しています。 中国の新薬知財保護の改革の二本柱のうち、もう一つの柱であるデータ保護とは、NMPA(薬事当局)が対象となる新薬等に対して、特許の有無に関わらず一定期間の保護を与え、その期間はジェネリック薬の承認を原則として下ろさないというものです。日本では新薬等の承認後の「再審査期間/先発権」、米国では「販売独占権」、欧州では「データ保護制度」と呼ばれていますが、中国では「データ保護」の名の下で制度化が進められています。 中国での新薬イノベーション推進政 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-05-16 17:25:572022-05-25 13:07:50【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化
医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される2022年4月15日/川本 敬二/R&D新薬|政策行政|中国知財中国では3月11日、全人代(中国の立法府/全国人民代表大会)が閉幕、その後例年通り首相の李克強が国内外のメディアに対する記者会見を長時間にわたって行いました。中国の安定的な経済発展の実現に向けた強い覚悟を感じさせる鬼気迫る会見でした。ウクライナ情勢の話題も出ましたが、多くは経済・民生問題に時間が割かれました。経済問題はGDP5.5%増の目標値の説明から始まり、雇用・就業問題、イノベーション推進と多岐にわたりましたが、随所に「大会での経済界との協議・要望を踏まえて~、」との言葉がありました。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/04/d2327c83124961a104993677283ab2d1-scaled.jpeg 1706 2560 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2022-04-15 09:35:002022-05-17 10:27:13医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】2021年7月21日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国版パテントリンケージ制度が2021年7月ついに始まりました。この制度の全体像、そして具体的な流れを解説します。新薬の上市承認の際には特許情報プラットフォームへの特許情報入力が求められるようになりました。ジェネリック申請の際には、そうした情報への声明を登録しなければなりません。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-07-21 18:45:042021-07-22 11:58:56施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-前編【中国のパテントリンケージ制度③】2021年7月8日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国版パテントリンケージ制度が2021年7月ついに始まりました。この制度の全体像、そして具体的な流れを解説します。新薬の上市承認の際には特許情報プラットフォームへの特許情報入力が求められるようになりました。ジェネリック申請の際には、そうした情報への声明を登録しなければなりません。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-07-08 16:57:152021-07-21 18:53:32施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-前編【中国のパテントリンケージ制度③】
6月に施行された特許延長制度、施行されなかったいくつかの細則2021年6月7日/川本 敬二/政策行政|中国知財6月1日から改正特許法が施行されました。中国の医薬品業界に大きな影響を与える二つの制度が盛り込まれています。「特許期間の延長」、および「パテントリンケージ」です。今回は特許期間の延長について解説します。また、特許法実施細則の施行延期についても解説します。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2024/01/中華人民共和国-特許法.png 450 800 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-06-07 16:42:322024-01-14 00:33:416月に施行された特許延長制度、施行されなかったいくつかの細則
新薬特許の無効【中国のパテントリンケージ制度②】2021年5月31日/川本 敬二/政策行政|中国知財中国ではパテントリンケージ制度の導入にあたって、ジェネリック企業に対してアメを与えています。新薬の特許が満了する前に、当該新薬特許は無効であると主張してジェネリック薬の上市の承認を求める申請(ジェネリック申請)を行い、実際に「ジェネリック申請段階の特許侵害審理」で特許無効の主張が認められ、かつNMPAでの審査でジェネリック申請が認められて「最初」の上市の許可が付与された場合、当該「最初」のジェネリック薬に対して、1年間の独占販売権が与えられます。したがって、この1年の独占期間中は新薬と最初に承認されたジェネリック薬の二剤のみしか市場に出ないことになり、最初のジェネリック薬に営業上大きなメリットをもたらします。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2017/07/11696462_xl.jpg 2337 3000 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-05-31 13:32:362021-06-07 16:49:44新薬特許の無効【中国のパテントリンケージ制度②】
ジェネリック医薬品の承認申請の審査中に発生した特許侵害紛争の早期解決システム【中国のパテントリンケージ制度①】2021年5月23日/川本 敬二/政策行政|中国知財2021年5月18日に、NMPA(審査部門CDE)よりパテントリンケージシステムの肝となる「特許情報プラットフォーム」がネット上に公表され、5月末までを試行期間としました。中国で新薬の開発が終わり、NMPAに承認申請をする際、新薬の開発を行った企業(新薬企業)が当該新薬をカバーする特許(新薬特許)をこの特許情報プラットフォームに入力し、その特許情報が公衆に公開されます。そして、ジェネリック企業は新薬特許の満了日を睨みながらジェネリック薬の開発を進めることになります。しかしながら、ジェネリック企業は新薬特許の満了に先立って、新薬特許は無効であるとか、ジェネリック薬は新薬特許を侵害しないと主張(声明)し、NMPAに対しジェネリック薬を承認申請することが可能です。この声明も同時に特許情報プラットフォームに掲載されます。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2021/04/4008860_m.jpg 1040 1920 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2021-05-23 18:53:302021-05-23 20:26:41ジェネリック医薬品の承認申請の審査中に発生した特許侵害紛争の早期解決システム【中国のパテントリンケージ制度①】
中国での医薬品知財の動向と特許法の第四次改正(前半) ~ 特許法の第四次改正法案の公表(2020年7月)を受けて2020年7月20日/川本 敬二/政策行政|中国知財医薬品の分野が、米中間で政治問題化している通信・IT分野と異なっている所は、中国が医療分野で大きな国内問題を抱えていており、その制度改革と表裏一体の関係にあることです。医薬品の流通、薬価、保険、製品の品質等の問題がそれです。 この記事では改革の方向性や知財制度改正の3つのポイントを取り上げます。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2014/07/515416_xl.jpg 2000 3008 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2020-07-20 12:16:452021-05-23 20:06:12中国での医薬品知財の動向と特許法の第四次改正(前半) ~ 特許法の第四次改正法案の公表(2020年7月)を受けて
中国特許法改正案が提出されました2018年12月10日/川本 敬二/政策行政|中国知財12月5日、李克強総理は国務院常務会議を司会、《中華人民共和国特許法改正案(草案)》(中国語:中华人民共和国专利法修正案)を可決し、草案を2018年12月23日〜29日に開催予定の全国人民代表大会常務委員会に提出することを決定しました。今回国務院を通過したこの特許法改正案には3つの注目点があります。 [続きを読む]Read more https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2014/07/515416_xl.jpg 2000 3008 川本 敬二 https://www.kawamotobbp.jp/wp-content/uploads/2022/05/logo_black.png 川本 敬二2018-12-10 13:19:582019-01-04 11:25:29中国特許法改正案が提出されました
中国の新薬の特許期間の延長制度が動き出す!(2024/3/22 更新)
【まだ動かない?】新薬を巡る知財保護制度の進展
本気で取り組む / データねつ造で刑事罰
【動きあり!】医薬品データ保護制度 & 販売独占保護制度の具体化
医薬品特許期間の延長制度について全人代・両会で議論される
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-後編【中国のパテントリンケージ制度④】
施行されたパテントリンケージ制度の全体像と流れ-前編【中国のパテントリンケージ制度③】
6月に施行された特許延長制度、施行されなかったいくつかの細則
新薬特許の無効【中国のパテントリンケージ制度②】
ジェネリック医薬品の承認申請の審査中に発生した特許侵害紛争の早期解決システム【中国のパテントリンケージ制度①】
中国での医薬品知財の動向と特許法の第四次改正(前半) ~ 特許法の第四次改正法案の公表(2020年7月)を受けて
中国特許法改正案が提出されました