【百済神州】新薬が中国発の抗がん剤で初のFDA画期的治療薬に


最終更新日: 2022/05/26

BeiGene (百済神州)のBTK阻害剤である zanubrutinib が FDA によって画期的治療薬として指定を受けました。今後 zanubrutinib は各申請を省略し、上市申請されることになります。また、これはFDAが認めた中国発の抗がん剤で初めての画期的治療薬です。

zanubrutinib (BGB-3111)は北京 BeiGene によって開発された、小分子ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、非ホジキンリンパ腫の一種であるワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)といったB細胞性腫瘍をターゲットにしています。2018年7月にFDAは既にWMを対象に優先審査を認めましたが、今回はMCLを対象に画期的治療薬として指定しました。また、NMPAはMCL(2018年8月27日)とCLL・SLL(10月24日)を対象にして上市申請を受理しています。

FDAへの上市申請は今年前半を目指しているとしています。

BTK阻害剤は、2014に米国で上市された ibrutinib が有名ですが、本新薬はそれと比較して高い奏効率と低い副作用発生率を試験結果で残しており、第二世代のBTK阻害剤として期待されています。

中国本土初の医薬品で画期的治療薬として指定されたものとしては初であり、2017年に指定された台湾TaiMed BiologicsのHIV治療薬ibalizumabを含めれば、2つ目です。

Author Profile

川本 敬二
弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)

藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
0 replies

Leave a Reply

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *