【恒瑞医薬】2022年上半期の状況・実績
全般状況
HengRui(恒瑞)の医薬ビジネスの二本柱である「ジェネリック」・「新薬」ビジネスの何れも収益面で難しい局面にある。前者の「ジェネリック」は、主要製品が集中買付の対象となったことから収入減となり、他方、「新薬」は、複数の製品が医療保険の対象となり薬価が下がったことと、更には、研究開発の拡大による費用の高騰を招いたこと、且つコロナ禍のコスト高により、2022年の上半期の決算は、営業収入、利益とも前期比減となった。上半期:営業収入:約2050億円(前期比.23%減)、経常利益:約400億円(前期比:24%減)。
新薬の承認と研究開発の進展
- 2022年上半期の研究開発費は、約600億円(前期比13%)となり、営業収入の28%強を研究開発に投入。
- 研究開発の成果としては、AR阻害剤(抗アンドロゲン/前立腺癌)がNMPA(中国薬事当局)により6月に承認された。mHSPC(転移性ホルモン感受性前立腺癌)AR阻害剤として、2018年、中国の国家計画(13次5年計画)下に重大新薬創出プロジェクトに選定され、開発が進められた経緯があり、この分野での中国国産新薬としては、初の承認。HengRuiとしては11品目目の新薬となった。
- 新薬申請・審査段階にあるのは、4品目(癌(PD-L1阻害剤)、糖尿病、抗感染症、鎮痛が適応症)。
- Ph III段階には、20プロジェクト、うち2件は国際共同治験の最終段階にある。
- なお、開発が進展して新たにPh II、Ph Iに入ったプロジェクトは、Ph IIが10件, Ph Iが10件。
- 今後はプラットフォーム技術の蓄積に注力し、Protac, 分子糊型分解薬、ADC、二(多)重特異性抗体、遺伝子治療分野での新薬開発を推進するとしている。
Author Profile
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弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)
藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
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