和記黄埔医薬が経口大腸がん薬を武田薬品にライセンスアウト
和記黄埔医薬(ハッチソンメディファーマ、Hutchison、上海)が2018年に中国で上市した大腸がんの経口薬 Fruquintinib(フルキンチニブ)の中国・香港・マカオを除く全世界での開発、商業化独占権を武田薬品にライセンスアウトしました。
Fruquintinibは和記黄埔医薬が2007年に研究開発を開始し、その後2013年にイーライリリーへ中国における商業化権をライセンスアウト、同社をパートナーとして開発を続け、2018年に中国にて上市されました。2022年12月にはFDAへの段階的申請を開始し2023年上半期に申請が完了する予定です。
Fruquintinib(商品名:爱优特 ELUNATE)は低分子医薬品で、VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)1,2,3に高い選択性、阻害性を有します。VEGFR阻害剤は腫瘍の急速な成長に必要な血液供給を制限することにより、腫瘍の血管新生に重要な役割を果たします。 抗血管新生阻害薬の世界市場には腫瘍の治療に承認されている約30種類の医薬品が上市されています。
適応症は治療抵抗性転移性大腸がん(mCRC)ですが、和記黄埔医薬はイーライリリーとFruquintinibをCRC、NSCLC、胃がんを含む3つの固形がんを対象に開発する契約を締結しています。
今回武田薬品は、和記黄埔医薬に契約一時金として4億ドルを支払います。また、マイルストンとして最大7億3000万ドル、さらにロイヤルティを支払います。
Author Profile
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弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)
藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
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